今回の旅のメインは世界遺産チャンアンでリバークルーズすること。
個人で行く方法とツアーで行く方法があり、ツアー料金は3,500円くらいと安めです。お手軽ツアーに参加しようかと思ったのですが、ツアーはチャンアンと古都ホアルーがセットになっているので、ハノイに帰ってくるのが遅くなるかも?と思い、個人で行くことに。
ハノイ旅④ハノイ街歩き。フォーとコーヒーとナイトマーケット、SIMや両替などからの続きです。
2014年に世界複合遺産に登録されたチャンアンの景観関連遺産は陸のハロン湾と呼ばれています。
リバークルーズで有名なのはタムコック(Tam Coc)、ヴァンロン(Van Long)、チャンアン(Trang An)の3か所ですが、タムコックは土産物屋の勧誘がしつこく、評判がよくありません。ヴァンロンは今でも昔ながらの竹の船でクルーズ出来るそうなので是非とも乗って見たかったのですが、ニンビンから車で30分くらいと少し遠いのでちょっと時間的に心配。ということで、今回はチャンアンに行くことにしました。
チャンアンへ行くには、まずハノイからニンビンまでバスまたは列車で移動し(どちらも移動時間は2時間くらい)、ニンビンからチャンアンまでは公共の交通手段はないのでタクシーでの移動となります。
バスは1時間に1本くらいあるので便利ですが、せっかくなら列車に乗ってみたいと思い、私たちは列車で行くことにしました。
ニンビンまでの列車のチケットを購入するためにハノイ駅へ。
ちょうどお昼だったのでインフォメーションは昼休みでしたが、こちらの窓口で購入出来ました。チケット購入時にパスポートが必要とのネット情報があったのですが、2017年10月時点では必要ありませんでした。
ハノイからニンビンまでの列車は一日5本くらい。午前中は6時と9時発、午後は13時と17時発、あと夜行列車があります。
座席は硬座 / 軟座 / 硬寝台 / 軟寝台の4種類。硬座は木でできたシートで背もたれは90度とのクチコミを読んだので、迷わず軟座を選択。
午前9時発に乗って17時発で帰ってきたかったのですが、前日のお昼時点で17時発は満席との事。帰りはバスで帰ってくることにしました。確認しなかったけど、硬座だったら空席があったのかな?
料金は一人82,000ドン(約410円)、全席座席指定ですが、場所は選べませんでした。
出発の20分前にハノイ駅に到着。すでに乗車する列車はホームに停車していました。チケットに車両番号と座席番号が書いてあったのですが、よくわからなかったので列車の入口に立っていた係員にチケットを見せて確認。無事乗り込めました。
こちらが軟座 。車両は古いですが、きちんと掃除されていたしフットレストもありなかなか快適。
そしてこちらが硬座。確かに硬そう。これで2時間はきついな。
列車は定刻の9時ちょどに出発。途中機内販売もあります。私はトイレに行きたくなかったので(きっと綺麗じゃないと予想)、列車の中では何も飲み食いしませんでした。11時20分過ぎに無事ニンビンに到着。この列車の終点はホーチミンなので、寝過し注意です。
列車の到着にあわせて、タクシーやツアー会社の客引きが駅前で待ち構えています。その中の一人と値段交渉していたのですが、高いし帰りはバスで帰ると言ったら、それも手配するからとさらに高値を吹っかけてきます。これは相手にしていられないと思い、幹線道路に出てタクシーを拾うことに。
駅からまっすぐ伸びる道を歩いていると、反対車線に一台のタクシーがやって来ました。声をかけチャンアンに行きたいというと、メーターで行ってくれるとの事。やさしいタクシーに当たったと喜び乗り込んだのはいいけれど、タクシーのメーターが上がるのがめちゃくちゃ早い!
当日ホテルからハノイ駅までタクシーに乗ったのですが、およそ10分間の乗車で45,000ドンくらいでした。なのにこのタクシーは乗車時間3分ですでに40,000ドン。ニンビンからチャンアンまでのタクシーの相場は90,000~100,000ドンなのに、すでに半分近くになっています。これは絶対にメーターをいじっているタクシーだと思い、ここで降りると宣言。でもタクシーの運転手は「大丈夫!大丈夫!」(ベトナム語なのではっきりとはわからないけれど、たぶんこんな感じ)といって止まってくれない。
スマホのグーグルマップでルート検索した画面を見ていたのですが、微妙に遠回りしているし。絶対インチキタクシーだと思い、日本語と英語の両方で今すぐ降ろせと何度も言って、やっと大きな幹線道路で降りることが出来ました。その時の料金は確か64,000ドンくらいだったのですが、60,000ドンだけ払って下車。というか、60,000ドン出した時点で運転手は「OK,OK」とそれ以上を要求してこなかった。絶対ぼったくってるってことやん…(涙)
ベトナムのタクシーには注意しないといけないと思っていたけれど、まさかこんな田舎でメーターをいじってるタクシーに遭遇するとは…油断してました。気を引き締めないと!
さて、これからどうしよう。グーグルマップを見ると、チャンアンまではここからまっすぐ一本道のよう。でもさすがに歩いていくことは無理なので、タクシーを捕まえようと待ち構えていたのですが、空車のタクシーが一向にやってこない。近くにいたおじさんが「どこに行くの?」(ベトナム語なのでわからないけれど、たぶん)と聞いてきたので、グーグルマップを見せ「チャンアンに行きたい」と言うと、「この道をまっすぐ行ったところだから、バイクで連れて行ってあげる」と。(ジェスチャーから推測)
一瞬ひるんだけれど、待っていてもいつタクシーがやってくるかわからないので、何度も値段を確認し、おじさんにかけてみることに。提示金額は2人で50,000ドンでした。
おじさんのバイクに3人乗り、そしておじさんだけヘルメット着用(笑)きれいに舗装された道なので、特に危険は感じませんでした。途中小雨が降ってきたけど、 本降りにならず一安心。(この時点では、ですが)
軽快に一本道を進んでいき、10分ほどでボート乗り場に到着。料金も50,000ドンでした。おじさん、ありがとう!
ベトナム人のおばちゃんが小舟を手漕ぎしてくれるリバークルーズのコースは2つ。9つの洞窟を巡るルート1と4つの洞窟を巡るルート2。
私たちが訪れた時は、少し前にたくさん雨が降ったらしくルート1は閉鎖されていました。 川の水が増水して、通れない洞窟があるようです。
ルート2でも2時間~2時間半かかるので、ルート1は一体何時間かかるんだろ?朝早くに来ないと日帰りは難しいかも?
チケットブースでルート2のチケットを200,000ドンで購入(子供は半額)。 ルート1の料金は表示されてなかったのでいくらなのか不明。
ルート2は3つの洞窟を通り抜けた後、寺院に上陸。4つ目の洞窟を通り抜け映画「キングコング 髑髏島の巨神」のロケ地に上陸して出発点に戻るというコース。
ボートは基本4人乗り。4人分の料金を払えば貸切できるようですが、私たちはあと2人やってくるのを待ちます。10分もしないうちにベトナム人カップル登場。スムーズに乗船できました。
今にも雨が降り出しそうなどんよりした曇り空ですが、墨絵のような世界には曇り空の方があってるかも(負け惜しみです)。
2つ目の洞窟(だったと思う)の入口付近にとっても水がきれいなところが。この時少し太陽が顔を出してくれたので、きれいなミルキーブルーを見ることができて感動。
こんなところ入って行けるの?と思うような洞窟の中を進んでいくのはアトラクションのようで面白かった。2つ目、3つ目の洞窟は川の水かさが増しているため、船底に座らないと通り抜けられないほどぎりぎり。頭を低くしていないと岩に頭をぶつけそうだったので、周りの景色を楽しむ余裕なんて全然なし。もう少し川の水が少ない方が洞窟の雰囲気を味わいながらのんびりクルーズできるのになぁ。でも、スリル満点で楽しかったです。
おばちゃんが小舟を漕ぐ水音だけが聞こえるのどかな風景。心地よい風が気持ちいいクルーズを楽しんでいたのですが…
3つ目の洞窟を抜けたあたりから雲行きが怪しくなり、突然のスコール。寺院に上陸して、しばし雨宿り。雨が小降りになったところで再び乗船し、クルーズ開始したのですが、4つ目の洞窟を出た時にまたスコールが!
私たちはそのまま帰りたかったのですが、ベトナム人カップルが上陸するというので仕方なく「キングコング 髑髏島の巨神」のロケ地に上陸。急ぎ足でロケ地を通り抜け、船に乗船したころにはようやく小雨に。
雨が降るかも?と思って念のためにアウトドア用の防水ジャケットを着ていたとはいえ、下半身は結構濡れた。後半は雨に打たれて景色を楽しむ余裕もなく、罰ゲームのようでした(笑)当然途中から写真もありません。
雨が降って途中の寺院で雨宿りしたり、4つ目の洞窟の出口で少し雨待ちしたりしたので、結局3時間ちかくかかりました。おばちゃんにチップを渡して下船、ボート乗り場にあったレストランで遅めの昼食とビールで疲れを癒したら、ハノイに向けて帰ります。
客待ちのタクシーがいるだろうと高をくくっていたのですが、駐車場付近に止まっているタクシーはリバークルーズ中の客を待っているタクシーばかり。みんな帰りの足をしっかりと確保してきてるんですね。
困ったな、どうしよう?と思い辺りを見回すと、駐車場の隅にインフォメーションデスクが。帰りのタクシーを呼んでもらえるかも?とお姉さんに声をかけました。
「バスステーションまで行きたいのでタクシーを呼んでほしい」とお願いしていると、すぐそばにいた男の人が近づいてきて、バイクで送っていくと。またバイクかぁ、と思ったけれど50,000ドンで行ってくれるというのでお願いすることに。
バイタクのお兄さんは英語が全くしゃべれないので、インフォメーションのお姉さん(カタコト英語)にハノイ行のバスに乗りたいということをしっかりと伝えて出発。
来た道を軽快に戻って行きます。と、途中の幹線道路でお兄さん停車。
「あれっ?バスターミナルまでまだまだやけど?」と思っていると、
「ハノイはあっち⇒。ここからバスに乗れる。OK?」(みたいな感じ)どうやらバスターミナルまで行かずに、この幹線道路からバスに乗れと言っているみたい。
「えっ、ここバス亭ちゃうやん!バスターミナルまで行って!」と、グーグルマップを見せて抗議するも、
「OK、OK。ハノイはあっち⇒。ここからバスに乗れる。だから金払え」の一点張り。
こんな何もない幹線道路で置き去りにされてたまるか!お金を払ったら終わりや。と思い、しつこくバスターミナルまで行くように言っていると、別のバイタク兄ちゃん登場。救世主か?と思いきや、
「OK、OK。ハノイはあっち⇒。ここからバスOK」と同じセリフ。
「おまえもか…」
兄ちゃんたちの圧に負けてお金を払おうとするダンナ。それを止めようとしたその時、幹線道路の左から一台のバスがやってきた!すかさずバスを止めるバイタク兄ちゃん。そして、
「この二人をハノイまで。」とバスのチケット売りの人に声をかけてくれました。
「ホンマにここからハノイ行のバスに乗れるんや…」
急いでバイタクの兄ちゃんにお金を払い、お礼を言って、いそいそとバスに乗り込みました。バイタクの兄ちゃん、ありがとう。疑ってごめんね(笑)
バス料金は一人70,000ドン。私たちが乗ったバスはニンビンのバスターミナルに行くこと無く、ハノイへ向けて走り出しました。
乗り込んだ時は空席もあったけど、途中道端にポツポツ立っている地元民たちを拾っていくうちに、バスは徐々に満席。通路にもプラスチックの椅子を置いて座っています。この光景、スリランカでも見たな。
一番後ろのシートに座っていたのだけれど、5人掛けのシートに6人座らせるという荒業。ぎゅうぎゅうのバスに揺られること2時間ちょっと。無事にハノイのザップバットバスターミナルに到着。隣に市バスのターミナルがあるので、そこからローカルバスに乗り込み、ホテルまで帰りました。
今回の個人手配で行く世界遺産チャンアンにかかった費用は二人で928,000ドン、約4,640円と格安でした。
ホテルからハノイ駅までのタクシー | 50,000 |
ニンビンまでの列車 | 164,000 |
ニンビンのいんちきタクシー | 60,000 |
チャンアンまでのバイタク | 50,000 |
リバークルーズ | 400,000 |
チャンアンからのバイタク | 50,000 |
ハノイまでのバス | 140,000 |
ホテルまでのバス | 14,000 |
合計 | 928,000 |
※列車やバスは二人分の料金です。一人の場合は半分で計算してください。
一人で行くならツアーに参加した方が安いですが、2人以上だと個人で行く方が安くなります。
ぼったくられたり、ハラハラしたり、雨に打たれたりと珍道中でしたが、墨絵のような美しい景色に癒され、静かでまったりとしたリバークルーズを楽しみ、とっても良い思い出になりました。