2018年度の国際線定時運航率ランキングが発表されました。
世界中に約750社あると言われている定期旅客エアライン、その中で定時運航率のトップに君臨するのはどのエアラインなのか?
早速見ていきましょう。
定時運行(ていじうんこう、英: On-time performance)とは、あらかじめ決められた時刻で公共交通機関が運行されること。どのくらいの確実性・正確性で出発したのかを定時運航率として数値化し、サービスレベルの重要な指標としている。英語ではオンタイムパフォーマンス(On-time performance)やオンタイムランニング(On-time running)と呼ばれている。
Wikipediaより
飛行機ではすべての乗客が飛行機に搭乗し、ドアが閉まったのち、飛行機が動き出した時間が「出発時刻」、飛行機が駐機場(降機場所)に止まった時間が「到着時刻」となっていて、15分以内の遅延は「定時」の範囲にあるとみなされています。
つまり、出発時刻または到着時刻の15分以内であれば定時運行ということになります。
アメリカのFlightStats社(フライトスタッツ)が2018年1月~12月の航空会社定時到着率データに基づいて「10th Annual On-time Performance Service Awards」を発表しました。
FlightStats社のランキングはメインライン部門とネットワーク部門に分かれていて、メインライン部門とは運航会社単体の実績を対象とし、ネットワーク部門とはグループ会社の運航便を含めた実績を対象としています。
※「FlightStats」では15分以内の遅れは「定時」として判定しています。
順位 | エアライン名 | 国 | 定時運航率 |
1 | デルタ航空 | アメリカ | 86.09% |
2 | カタール航空 | カタール | 85.88% |
3 | KLMオランダ航空 | オランダ | 85.04% |
4 | 全日空 | 日本 | 84.20% |
5 | アエロフロート | ロシア | 82.98% |
6 | アリタリア航空 | イタリア | 82.27% |
7 | エミレーツ航空 | UAE | 82.00% |
8 | ユナイテッド航空 | アメリカ | 80.75% |
9 | アメリカン航空 | アメリカ | 80.28% |
10 | スカンジナビア航空 | スウェーデン | 78.69% |
残念ながら主要国際航空会社のなかに日本航空が入っていません。アジア・太平洋の主要航空会社部門では定時運航率84.73%で全日空を抜いて1位なので、単にトップ10に入っていないのではなく、FlightStats社の基準では日本航空は主要国際航空会社ではないってことなんですね。就航路線数が少ないのかな?なんだか悲しい。去年のランキングでは主要国際航空会社のランキングに入っていたのになぁ。基準が変わったんでしょうかね。
ネットワーク部門では主要国際航空会社部門はカタール航空(85.88%)、KLMオランダ航空(85.59%)、全日空(85.25%)という順位、アジア・太平洋部門は全日空(85.25%)、日本航空(85.21%)、シンガポールエアライン(83.52%)という順位となっています。
全日空も日本航空もグループ全体の方が単体よりも定時運航率がアップしています。グループに助けられているんですね。本体ももっと頑張らないと。
順位 | エアライン名 | 国 | 定時運航率 |
1 | アズールブラジル航空 | ブラジル | 86.47% |
2 | イベリアエキスプレス | スペイン | 86.47% |
3 | スピリット航空 | アメリカ | 82.04% |
4 | インディゴ | インド | 81.10% |
5 | エア・アジア | タイ | 80.97% |
6 | スカイエアライン | チリ | 79.81% |
7 | ゴル航空 | ブラジル | 79.47% |
8 | サウスウエスト航空 | アメリカ | 79.35% |
9 | ウエストジェット航空 | カナダ | 78.07% |
10 | アレジアント航空 | アメリカ | 77.71% |
LCCの1位、2位の方が主要航空会社部門1位のデルタ航空より成績が良いのが驚きです。きっと就航路線数が違うので一概に比較するのは難しいですが、少ない機体を上手く回転させているんでしょうね。LCCでも侮れません。
その他にも北米エアライン部門、ヨーロッパ部門、アジア・太平洋部門、中東・アフリカ部門、ラテンアメリカ部門があります。
詳しくはFlightStats社のサイトをご覧ください。
イギリスに拠点を置く航空機運航情報会社OAG社(オフィシャル・エアライン・ガイド)が、2018年一年間の世界の航空会社・空港を対象とする定時運航遵守率ランキング「OAG Punctuality League 2018」の結果を発表しました。
OAGが定義する定時運航率(オンタイムパフォーマンス、OTP)とは「離発着の予定時刻と実際に離発着した時刻のずれが15分未満だった便が占める割合」だそうです。
順位 | エアライン名 | 国 | 定時運航率 |
1 | コパ航空 | パナマ | 89.79% |
2 | エア・バルティック | ラトビア | 89.17% |
3 | 香港航空 | 中国 | 88.11% |
4 | ハワイアン航空 | アメリカ | 87.52% |
5 | バンコク・エアウェイズ | タイ | 87.16% |
6 | カンタス航空 | オーストラリア | 85.65% |
7 | LATAM航空グループ | チリ | 85.60% |
8 | アズールブラジル航空 | ブラジル | 85.21% |
9 | カタール航空 | カタール | 85.17% |
10 | KLMオランダ航空 | オランダ | 84.52% |
残念ながらトップ10には日本の航空会社は入っていません。全日空が11位(84.43%)、日本航空は13位(83.99%)とあと一歩でトップ10入りを逃しています。
アズールブラジル航空はLCCなのに数あるメジャーな航空会社をおさえて堂々の8位。LCC=遅延するってイメージを払拭してくれるランキングですね。
大規模航空会社のランキングは1位がLATAM航空グループ、2位全日空、3位日本航空と日本勢が上位にランクイン。以下デルタ航空、アラスカ航空、インディゴ、サウスウエスト航空、ユナイテッド航空、アメリカン航空、ブリティッシュエアウェイズとなっています。
主要空港(年間出発供給座席数が3000万以上)の定時運航率のランキングは次の通り。
順位 | エアライン名 | 国 |
1 | 羽田国際空港 | 日本 |
2 | アトランタ国際空港 | アメリカ |
3 | チャンギ国際空港 | シンガポール |
4 | デンバー国際空港 | アメリカ |
5 | ロサンゼルス国際空港 | アメリカ |
6 | マドリード国際空港 | スペイン |
7 | ダラス・フォートワース国際空港 | アメリカ |
8 | アムステルダム国際空港 | オランダ |
9 | スワンナプーム国際空港 | タイ |
10 | シカゴ国際空港 | アメリカ |
羽田国際空港が85.62%で堂々の1位。いつも混雑していて遅れるイメージがあるので、この結果はとっても意外。
空港混雑で離陸待ちすることも多いけど、離陸待ちは出発遅延にならないし、到着時間には余裕を持っているので、中長距離路線であれば30分くらいは簡単に短縮できるから(風の影響によって短縮できない時ももちろんありますが)この結果なのかな?
また、アメリカの空港は5つもランクイン。入国審査に時間がかかるイメージがあるので、その分搭乗も遅れるのでは?と思っていたのでこれまた意外な結果でした。
年間出発供給座席数が2000~3000万規模の空港では1位がロシアのシェレメチェボ国際空港。成田国際空港(79.65%)は13位とトップ10入りならず。
年間出発供給座席数が1000~2000万の空港では1位が大阪国際空港(伊丹空港)(88.22%)、7位が新千歳空港(83.47%)、9位が福岡空港(82.48%)と日本勢はなかなかの成績。優秀です。
2つのランキングには結構違いがあるので、どっちを信じたらよいのか迷う結果となりました。
電車の正確さに比べると、飛行機は多少の遅延ありきで予定を組む方が安心。特に乗継がある場合は十分に余裕を持った方が良さそうです。
また、空港部門では遅延が多いと思っていた羽田空港が世界No.1というのが驚きですが、さすが日本ですね。
日本の公共交通機関は時間に正確なのがウリですが、それは全世界のスタンダードではありません。日本クオリティを世界に求めるとイライラする原因になるので、少しくらいの遅延は気にせず、それすらも楽しめる広い心で搭乗しようと思います。
去年の遅延率ランキングや国内線の遅延率についてはこちらをご覧ください。
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