日本秘湯を守る会に属する山間の渓流沿いの一軒宿『嵐渓荘』に宿泊しました。
約100年前に掘られた温泉は日本屈指の濃厚な『強食塩冷鉱泉』。かつては薬として利用されていたとか。
美味しいご飯食べて、ゆっくり温泉に入る。贅沢な時間をのんびり過ごしてきました。
新潟空港から車で1時間ちょっと。
1日1便のみですが、燕三条駅と東三条駅からの無料送迎があります。要予約なので、ご利用の際はお忘れなく。
また、路線バス「八木ヶ鼻温泉」停留所までは宿の送迎があるそうです。
宿の周りには何もありません。本当に山間の一軒宿。一番近くのコンビニまでは車で5分くらいだけど、18時には閉店します。おつまみや飲み物などのお買い物は早めに済ませておきましょう。
駐車場から旅館入口へのアプローチには「日本秘湯を守る会」の提灯が。
敷地内には川がながれていて水車もあります。
ブログトップの写真、フロントのある「緑風館」は、昭和初期に燕駅前に建設された小川屋旅館の建物を1955年に移築したもの。建物頂部に見晴らしやぐら「望楼(ぼうろう)」を載せているのが特徴で、2012年に『国登録有形文化財』に登録されたそう。我が家は別の部屋に宿泊しましたが、有形文化財の部屋に宿泊することも可能です。
守門川沿いにはデッキテラスも。「朝ヨガ」も行われているようです。
翌朝ゆっくり周辺散策しようと思っていたのに、残念ながら翌日は朝から雨。散策は断念しました。
宿のシンボルだった守門川にかかる吊り橋は2011年7月の洪水で流されてしまったそう。それでも十分素敵なお庭だったので、到着日に散策しておけばよかったと後悔...
すっきりしたロビー。ここにも秘湯を守る会の提灯が提げられています。
ロビー左奥にラウンジ。お風呂上がりのビールを楽しんでいる方もいました。
ラウンジにはほうじ茶が用意されていて、自由に飲むことができます。
説明にもあるように少し塩気があり、本当に昆布茶のようでした。
山側に面した旧館、『りんどう』の6畳のお部屋。窓からは山の湯の外観がが見えます。
部屋はこじんまりとしているけど、寝るだけなので全く問題なし。
国指定有形文化財のお部屋『緑風館』のお部屋も魅力的だったけど、部屋にトイレ・洗面台がなく各階共同だったので今回はパスしました。
お茶菓子の饅頭とお茶のセット。
夕食に出かけているときに布団を敷いてくれたのですが、その時にポットに入った冷たいお水を用意してくれました。
広縁には冷蔵庫と洗面台。冷蔵庫にはビールやソフトドリンクなどの飲み物が入っていますが、自分たちが買ってきた飲み物を入れるスペースもあります。
セーフティーボックス、浴衣やタオル、歯ブラシなどはクローゼットにスタンバイ。
ちなみにアメニティは歯ブラシだけです。綿棒やシャワーキャップは大浴場に用意してありました。
トイレはいたって普通。
大浴場の他、貸切風呂が2か所あります。
貸切風呂はチェックイン時に先着順でどちらか一方予約できます。
男女別の大浴場は入替はありません。
24時間入浴可能ですが、9:30〜11:00、14:30〜15:30は清掃時間の為利用できません。
大浴場にはメイク落としの他、化粧水や乳液、綿棒やシャワーキャップの用意がありました。
源泉かけ流しの大浴場。お風呂の縁に温泉成分がびっしりと固まりついていました。
無色透明の肌にまとわりつくようなお湯。源泉温度は16.5℃の冷鉱泉なので、入浴に適した温度まで加熱しているそうです。
小さいけど露天風呂もあります。貸切だったからのんびり入れたけど、この露天風呂に二人以上で入るのはちょっと厳しいかな。
男湯の方はもう少し大きいようです。
貸切風呂「山の湯」は石湯と深湯の2つ。それぞれに内湯と露天風呂があり、宿泊者は無料で利用できます。
16時から22時までは予約制、22時以降翌朝10時まではフリーの貸切。フリーの時間帯、お風呂の扉横にあるホルダーに鍵があれば空いているので、自由に入浴できます。鍵がなければ他の人が入浴中。くれぐれも鍵の掛け忘れには注意しましょう。
11時から15時半までは日帰り入浴が可能で、その際は石湯・深湯を男湯・女湯に分けています。
山の湯の湯上り処にはCDや書籍、マッサージチェアがあり、自由に利用可能です。
まずはチェックインの時に予約した石湯へ。
景色を堪能できるように、明るい時間に予約しました。
貸切風呂にはシャンプー、コンディショナー、ボディソープの用意はありますが、クレンジングや化粧水などはありません。忘れずに持っていきましょう。
脱衣所から洗い場を抜けると内湯。
窓は網戸になっているので、内湯でも暑すぎず心地の良い風が入ってきます。
五十嵐川の石で組んだ石湯。宿の敷地の一番川上に位置するので、景色は最高。
目の前の守門川のせせらぎを聞きながらのんびり温泉を満喫。とっても贅沢なひとときです。
露天のお湯は少しぬるめで訪れた6月上旬には熱すぎずぬるくもなく、ちょうどいいお湯加減でした。
こちらも石湯同様、手前に洗い場を備えた内湯があり、その奥に露天風呂。
内湯からも景色を楽しめるようになっています。
深さ約130センチの深湯。塩分が高いのでふわふわと浮かぶような不思議な感じ。
ただ、やっぱりずっと立って入るのは少し疲れるので、腰くらいまで浸かれるベンチがあれば最高なのにな。
食事は朝夕共に専用の個室にて。
宿泊する部屋によって食事処は変わるようですが、我が家は『高城』の個室で頂きました。
食事は天然の湧水で山里の旬を丁寧に調理した山里会席。
前菜:かたくり中華風、ふきのとう酢味噌、鮎せんべい、あざみ油炒め、海老寿司、サーモンチーズ市松巻き、浅葱特製味噌(写真中央お盆の上)
名物:ぜんまいの一本煮(写真右黄色の皿)
小鉢:わらびのお浸し、蕗みぞれ(写真左側)
鍋物:山菜鍋(写真右上)
山菜中心の前菜はお酒のあてにピッタリ。地元の日本酒「八海山」をチビチビ飲みながら美味しく頂きました。
お造り:鯉の洗い(左)
揚げもの:車海老、こごめ、ふきのとうなどの天ぷら
鯉って臭いイメージがあったけど、ここのは臭みもなくあっさり。海の魚と変わらないあっさりしたお刺身でした。てんぷらはサクサク。普段あまり食べることのない山菜は抹茶塩でさっぱりと頂きました。
メインなのにうっかり写真を撮り忘れましたが、この他にヤマメの串焼きとにいがた和牛の石焼きがありました。
ヤマメはふっくらと焼きあがっていてとっても美味しかったです。にいがた和牛は言わずもがな。お腹いっぱいなのにペロッと頂きました。
〆は竹の子ご飯にじゅんさいとソーメンのお吸い物、デザートの梅ゼリーと塩羊羹。
ダンナは米どころ新潟なので、美味しい白米を期待していた分少しがっかりしたようだけど、私は味付きご飯が好きなので、嬉しかったな。とっても美味しいたけのこご飯でした。
デザートの塩羊羹は嵐渓荘オリジナル、お土産にも好評とのことですが、和菓子は苦手なのでスルー。スイーツ男子のダンナ曰く、さっぱりと美味しかったそうです。
温泉宿の朝食ってご飯のお供がいっぱいでついつい食べ過ぎてしまうのが難点。
ざる豆腐や温泉卵、焼き魚などほか、イカ刺しもあり、十分な品ぞろえ。
セットされているのは温泉水で炊いたお粥ですが、お櫃に入った白ご飯もあり、お粥を食べたあと美味しく白ご飯を頂きました。
周りには何もない山里の一軒宿、自然を満喫しながら温泉を楽しみました。
山間といえど、館内はWiFiもストレスフリーでつながります。
普段あまり食べることのない山菜料理はとっても美味しいし、温泉もトロトロで泉質も良く大満足。
無料で利用できる貸切風呂は、自分たちだけで温泉を満喫できる贅沢な時間。とってもリラックスできました。夜と朝のフリータイムにも利用して大満足。やっぱり景色を堪能できる露天風呂は気持ちがいいですね。
新潟空港からそんなに遠くないので、また訪れたい温泉です。