さて、いよいよエチオピア旅メインとなる3泊4日のダナキルツアーに出発です。
塩湖あり、火山ありのバラエティーに富んだツアーで、数年前からずっと行きたいと思っていた場所なのでとっても楽しみ。
このツアー、世界一過酷なツアーと呼ばれているのですが、本当でしょうか?
真相を検証してみたいと思います。
エチオピア旅③ボレ国際空港でのアライバルビザ取得方法とエチオピア航空国内線ラウンジなどからの続きです。
日程
2泊3日と3泊4日のツアーがあるのですが、私たちは3泊4日のツアーに参加しました。
大まかな日程は次の通り。
ツアー詳細
【期間】3泊4日
【ツアー会社】Ethio Travel and Tours(エチオトラベル&ツアーズ)
【スケジュール】
1日目:メケレの街を出発し、一路塩湖(アサレ湖)へ。キャンプ泊
2日目:ダロール火山と周辺の塩の層の隆起によってできた山(名前不明)、塩の採掘所を見学し、宿泊地へ。
3日目:エルタ・アレ火山に向けて出発。夜7時くらいに山頂に向けてベースキャンプを出発し、マグマ鑑賞。山頂で仮眠。
4日目:早朝に起床し、再度マグマ鑑賞後下山。途中、塩湖、温泉に立ち寄りメケレの街へ。
ツアー詳細はこちらをご覧ください。(訪問先は同じですが、訪問する順番は若干異なります)
Danakil – 4 days | Ethio Travel and Tours
上記4日間のスケジュールの2日目と3日目をギュッと圧縮して1日分にしたのが2泊3日のツアーだそうです。
ということは、ツアー中シャワーなしってことですね(^_^;
バタバタするので体力的にはしんどいと思うけれど、時間がないなら十分かも?
1日目
いざ、出発!
9時半にETT(エチオトラベル)のスタッフがホテルまで迎えに来てくれ、一旦ETTの事務所に全員集合してから車を振り分けられます。
さすがに年末年始、ツアー客の約半分が日本人でした。
2泊3日と3泊4日のツアー客合わせて車10台、約40人の大所帯です。
車はドライバーとツアー客4人で1台。私たちは日本人の女子2人と一緒でした。
※グループでない限り、日本人同士、欧米人同士と車を振り分けているような感じでした。
今日はアサレ湖までロングドライブ。
何もない荒野を走り抜けます。
と、突如 タイヤから異音が…
いきなりパンクです(苦笑)
みんなで力を合わせてパンク修理。舗装された道でパンクって、この先大丈夫か?
道中たびたび出会う家畜渋滞。
エチオピアでは家畜を轢いてしまうと雄の場合は1匹分、雌の場合は2匹分を補償しないといけないそうなので、みんな慎重に進みます。
ランチ
途中の村でランチ休憩。
キンキンに冷えたビールとともに頂きます♪
とっても美味しいのだけれど、観光客価格で高い!メケレの町中で飲んだ時は1本13ブル(約53円)だったのに、ここでは1本25ブル!ぼったくりです。と言いながらも飲んでしまうんですけどね(笑)
この後訪れるツアーの休憩スポットではどこでも1本25ブルでした。コーラやスプライトなどのソフトドリンクも20~25ブルだったので、こちらは割高感ありますね。
ツアーで提供される料理は観光客向けになっているので、シチューのようなもの(上の写真)やパスタ、ピラフが中心で、どれも美味しかったです。
ちなみに、ツアー中の食事と水はツアー代金に含まれています。(ビールはもちろん別料金です)
ランチの後小さな村の中を散歩していると、
「Hello, come here!」
と声が聞こえてきたので、あたりを見回して声の聞こえる方に近づいてみると 、かわいい女の子が。
お願いして写真を撮らせてもらいました。
撮った写真を見せてあげると、照れてはにかんでとってもかわいい。
このころは、エチオピアの子供って素朴でかわいいなぁ、と思っていたのですが…
1日目の宿泊先
ロングドライブの後にたどり着いた本日の宿泊先、青空キャンプ場。
何もないところにベッドが置かれただけのキャンプ地です。
このベッドの上にマットレスを轢いて、寝袋に入って寝ます。寝袋は自分の物を持ってきている人もいましたが、私はツアー会社が用意してくれたものを使用しました。
想像以上に快適で爆睡でしたよ。
エチオピアは10月~3月が乾季。日中は日差しが強く熱いのですが、日陰に入ると涼しくて過ごしやすいです。が、日が沈むと急激に寒くなります。
この辺りの気温は日中は35度以上、夜は5~10度くらいになります。
この日は満月に近かったこともあり、就寝時にはあまり星が見えなかったけれど、月が沈んだ明け方は満天の星。
流れ星もいくつか見ることが出来ました。願い事が叶うといいな。
残念ながら、私のカメラテクでは綺麗に撮影出来ませんでした(涙)もっと勉強しなくては。
アサレ湖
暫く休憩したら、夕日を見にアサレ湖へ向かいます。
この辺りは隣国エリトリアとの国境近く。近年まで国境を巡って戦闘があったため、治安が良くありません。
なのでツアーでは武装した傭兵を雇ってガードしてもらいます。
途中出会ったラクダのキャラバン。ロバたちも一生懸命働いています。
アサレ湖でとれた塩をベル・ハアレの町まで約57kmも運ぶ過酷な仕事です。
塩のブロックは1個約5kg。ラクダは約30個のブロックを、ロバはその半分くらいを運ぶそうです。
アサレ湖はエチオピアのウユニ塩湖と呼ばれています。
真っ白なウユニ塩湖に比べると、塩の層が薄い分茶色い部分が目立ちますが、十分綺麗。
時期によってはウユニ塩湖のような鏡張りになることもあるようです。
私たちがウユニ塩湖を訪れたのは雨季が終わり乾季が始まったころだったので、きれいな鏡張りは見られませんでした。ここで見れたらいいなぁ、と少し期待していたのですが、年末年始はところどころ鏡張り、といった感じでしょうか?
鏡張りじゃなくても十分すぎるほどきれいな夕日。
太陽が沈んだ後、徐々に暗くなっていくマジックアワーは神秘的。
色のグラデーションが美しいですね。
この後、なぜかここで(水の無い乾いた塩湖の上)ワインとウォッカのようなお酒を飲んでみんなでダンスして帰りました。
ワインとお酒は無料だったので嬉しい限りですが、お腹空いてきたし、ダンスタイムが長すぎて退屈してしまいました(笑)
2日目
ダロール火山
早朝に起こされ、暗い中朝食をとって、朝日とともに出発。
目指すはダロール火山。
日本人からはナメック星(ドラゴンボールに出てくるらしい。私の中でドラゴンボールは石を7個集めたところで終了しているので、何のことやらさっぱりわかりませんでした。)と呼ばれているところです。
高さ約50m程度の溶岩台地の小さな山で、玄武岩質のマグマが地中に侵入したことによって形成されたと考えられています。
私がイメージする火山とは全く違うけれど、世の中にはいろんな自然現象があるんだなぁとビックリです。
現在も火山活動は続いていて、熱された塩水が噴出することによってできた目にも鮮やかな、この世とは思えない、極彩色の不思議な絶景が広がっています。
地層にある塩や硫黄を含んだ水が地熱によって熱せられ、水蒸気となって噴出し、地上で冷やされて再び液体化。この中に含まれる塩、硫黄、カリウム等の鉱物がこの不思議な色彩を作り出しているそうです。
今も塩水の噴出は続いているので、刻一刻とその姿を変えています。
Webでいろんな写真をたくさん見たけれど、早く自分の目で確かめてみたい気持ちにかられ、レンジャーが見守る中、小高い丘をいそいそと登って行くと…
目の前には異世界が!
色んなブログで写真を見るたび、修正して色を鮮やかにしてるんやろなぁと思っていたけど、目の前に広がる景色は原色。修正なんかされていなかったことがわかりました。
この辺りは海抜が低く、世界で一番熱い場所または世界で一番過酷な場所と言われています。
冬はまだマシですが、夏は50度を超えるそうです。
そんな低地に火山があるなんて不思議。そして、その火山がこの世とは思えないような極彩色。
自然のエネルギーってすごいなぁ。
新たに誕生した極彩色の世界。
スクランブルエッグみたい。
奇岩群
ダロール火山から車で10分くらいのところにあるソルトマウンテンと呼ばれているところ。
地中に広がる塩の層が隆起してできたので、岩肌の表面には塩がたくさん。
チリのサンペドロ・デ・アタカマにある「月の谷」を思い出しました。
飲むと死ぬ温泉
硫黄や鉄分を多く含んだ温泉。この温泉はお肌にはとってもいいけれど、飲むと死ぬそうです。
実際、温泉の周りに鳥の死がいがいくつかありました。
塩分濃度が高すぎるため、オイルのようにヌルヌルしています。それがお肌にはいいらしい。触ってもいいけど飲んじゃダメ、とのことなので、落ちないように注意しながら触ってみると、ほんとにぬるっとしてオイルのよう。でも、肌に良いかどうかは不明です。
塩の採掘所
温泉を後にして、次に向かうは塩の採掘所。
地表から塩を掘り起こして、同じ大きさの塩のブロックに削っています。
採掘をしているのはほとんどがムスリムの方。
冬でも日中は40度近くになる炎天下での過酷な作業。夏は一体どうしているんだろう?
2日目の宿泊先
2日目はゲストハウスに宿泊。今日は屋根があります。みんなで雑魚寝に変わりありませんが 。
大きな部屋がいくつかあって、一部屋に8人くらいが雑魚寝する感じでした。
各部屋にはコンセントがあるので、カメラやスマホの充電も可能です。
ちなみに、ここにはシャワーがあります。もちろん水ですが。
まだ日が昇っているうちに水シャワーを浴びてさっぱり。
部屋の前では女の子たちが楽しそうにおしゃべりしながら洗い物していました。
近所の子供たち
町を散歩しているとたくさんの子供達が集まってきます。
「フォト、フォト」
と声を掛けてくるので、写真を撮って見せてあげるとみんな大喜び。
やっぱりエチオピアの子供たちってかわいい!と思ったのもつかの間。
これくらいの年齢の子たちは写真を撮るだけで満足するのですが、もう少し大きくなると(大体7歳以上)、
「ビスケット」
「チョコレート」
「マニー」
と、物を要求してきます。
何も持っていないと言うと、近くにあるお店で買ってくれと、腕を引っ張ります。
そして、これが本当にしつこい。
あげるものもないし買うお金もないと主張しても、延々とついてきます。
さすがにうんざりして、宿に逃げ帰りました。
でも、考えてみるとこんな風にしたのは私たち旅行者なんですよね。
とっても純粋で何も知らなかった地元の子供たちに、ふらっとやって来た旅行者が持っていたお菓子やお金をあげたことによって、外からやってくる人は物をくれるって思うようになり、どんどん厚かましくなっていったんだと思います。
善意でやったことかもしれないけれど、それが子供たちを変えてしまうと考えると恐ろしい事です。
そう考えると、写真を撮って、子供たちが喜んでくれたことに満足している自分も反省しなければならないなぁ。
自然破壊に注意するのと同じように、そこで暮らす人たちの生活に、なるべく何の変化も与えないように過ごすことが大切なのかもしれないと思いました。
さぁ、明日はいよいよマグマとご対面です。