更新日:2019-5-8
2018年4月17日より、ANAが国際線プレミアムエコノミーに入札制度を導入しました。
今まで上級会員(ダイヤモンド、プラチナ、SFC)は搭乗の24時間前に空席がある場合、無償でプレミアムエコノミーにアップグレードできていたのに、今後無償でのアップグレードはなくなるかもしれません。
ANAが導入した入札制度「Bid My Price」とはどういう仕組みなのか?
見ていきましょう。
Bid My Priceとは?
エコノミークラスのフライトを購入後、プレミアムエコノミーへのアップグレードが可能になる、ANAウェブサイト限定の入札サービス。
出発直前の予約状況と、搭乗者自身が入札した金額に応じてアップグレードできるシステムです。
要するに、空席がある場合は高いお金を払った人から順にアップグレードしますよ、と言うことですね。
プレミアムエコノミーとは?
入札してアップグレードできるプレミアムエコノミーってどんな座席なの?という方のために簡単に座席の説明を。
プレミアムエコノミーはエコノミークラスとビジネスクラスの間の座席になります。
シートピッチ38インチ(約97cm)、座席幅19.3インチ(約49cm)とエコノミーと比べるとシートピッチが11cm、座席幅が4cm広くなります。
数字を見る限りではあんまり違いはないのでは?と思うかもしれませんが、レッグレストやフットレストがあると快適さは全然違います。
食事はエコノミーと同じですが、スパークリングワインやビジネスクラスのデザート、カップめんなど、エコノミーにはないサービスがあります。
また、専用レーンでチェックインすることができるのでエコノミーの長い列に並ばなくてもいいし、搭乗までの間「ANA LOUNGE」でのんびりくつろぐことができるなどのメリットがあります。
私も以前フランクフルトからの帰路で搭乗しましたが、思った以上に快適でした。
対象条件
対象者
ANAウェブサイトにて以下条件を満たす航空券を購入し、かつ本サービスの案内メールを受信した人。
- エコノミークラス有償航空券
- 旅程開始国が日本、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアのいずれか
メール受信者のみが対象者というのは不公平な気がしますが、海外発券の航空券も対象なのは嬉しいですね。
有償航空券との記載があるので、特典航空券は対象外になるようです。
予約クラスやマイレージ会員のステイタスによって、メール受信者が変わるのでしょうか?
対象路線
今のところ対象路線は、ANA運航の 日本 ⇔ アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア路線(日本国内線は除く)のみとなっています。
オークションの入札状況を見て、今後アジア路線も対象になるかもしれません。
シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアもオークションの対象となりました。今後はビジネスクラスも対象になるのかな?そうなれば少し楽しみだな。
利用方法
出発の7日前に対象者にはメールが届くので、メールに従って入札を進めていくようです。
- 案内メール受信
エコノミークラスに搭乗する全ての乗客にメールが届くわけではありません。 - 入札
定められた金額の範囲内で入札額を指定。
入札通貨は日本円・米ドル・英ポンド・ユーロから選択。
入札の最終締め切りは出発3日前(72時間前)。 - 支払い情報を登録
支払いはクレジットカードのみ。(VISA、MasterCard、JCB、Diners、American Express )
アップグレード確定後、入札額を請求。
アップグレードできなかった場合は、請求はなし。 - アップグレードの決定
入札に成功した場合は、出発時刻の24時間前までにアップグレード後のeチケット等が送付。
アップグレードは入札額の高い人より順に確定しますが、同額での入札者が複数いる場合は、
- 購入した航空券の予約クラス
- ANAマイレ-ジクラブの会員ステイタス
- 入札実行日時の優先順位
に基づいて確定するそう。
入札締め切り時点でのプレミアムエコノミー予約状況によっては上限の金額で入札してもアップグレードできない事もあるようです。
注意点
主な注意点は次の通り。
- マイルの積算、旅程の変更可否はご購入いただいた航空券に適用されている運賃規則に基づきます。
アップグレード先のプレミアムエコノミーの座席指定は事前に承ることができません(出発時刻の24時間前からオンラインチェックインにて座席指定の変更が可能な場合があります)。 アップグレードへの入札は、Bid My Priceご案内メールで指定されるフライトのみが対象となります。同一旅程内に複数便の予約をいただいている場合、すべての便がアップグレードされるわけではありません。 同一予約内に複数の対象便がある場合、1通のメールですべてのフライトへの入札が可能です。複数ある対象フライトからご希望のフライトのみ入札いただくことも可能です。 ご案内メール受信後に予約を変更された場合には、入札が無効となり新しいフライトへは適用されません。 入札の結果はメールのみでの通知となり、個別のお問い合わせは承っておりません。 入札が成功し、アップグレード確定となった場合のみ、お支払い手続きが行われます。 アップグレード確定後は、変更・払い戻しおよびマイルやポイントを利用してのアップグレードもご利用いただけません。 ご出発4日前(96時間前)までは、入札内容の変更・キャンセルが可能です。
マイルの積算は購入した航空券に基づくため、当然PPも増えることはないようです。
また、座席指定できないようなので(24時間前に可能になる場合あり)複数人でアップグレードできた場合は、席が離れてしまう可能性があります。
JALの場合
出発当日JAL運航便のプレミアムエコノミークラス座席に空席がある場合、追加料金を支払ってプレエコに乗れる場合があります。
行き先 | 金額 |
北米・ハワイ | 40,000円 |
欧米 | 40,000円 |
モスクワ | 35,000円 |
オーストラリア・インド | 30,000円 |
東南アジア | 20,000円 |
中国 | 15,000円 |
ANAの入札金額範囲がどれくらいに設定されているのかわかりませんが、JALの追加料金から考えると4万円くらいに設定されるのでしょうか?
Bid My Priceのお誘い
搭乗1週間前にBid My Priceのお誘いメールが届きました。
成田⇒メキシコ、ヒューストン⇒成田と搭乗予定だったのですが、入札可能なのはヒューストン⇒成田のみ。
最低入札価格は2万円、最高5万円でした。
この路線は非常口座席を指定しているので入札しませんでしたが、24時間前のwebチェックインではプレエコは満席。
利用されている方がいらっしゃるんですね。
2019年8月19日以降、予約クラスに応じて国際線の非常口座席及び前方通路側、窓側座席を有料化することが決定したので、それ以降搭乗する機会があれば、その時は入札してみようかな?
まとめ
海外の航空会社ではビジネスクラスにオークション制度を導入しているところがありますが、プレミアムエコノミーを入札ってどうなの?って思ってしまいます。
どうせならビジネスクラスで「Bid My Price」を導入してくれたらいいのに。
でも、限られた路線のプレエコだけのために新しいシステムを導入するのは考えにくいので、プレエコでの入札状況によっては、今後ビジネスクラスにも拡大していく可能性があるかもしれません。
そうなったらぜひ参加してみたいなぁ。
格安でエコノミーのチケットを購入して入札できた場合、お手頃な金額でプレエコに乗れるというメリットはありますが、この制度、上級会員にとっては改悪です。
24時間前までにアップグレード後のeチケットを送付するということは、その時点ですべてのプレエコが埋まっている可能性があります。
そうなると、上級会員の大きなメリットだった24時間前に空席がある場合は無償でプレエコにアップグレードという特典がなくなってしまうことになります。
SFCホルダーとしては非常に残念。
ANAにしてみれば無償で乗せるよりも、少しでも利益を出したいと思うのは当然ですが。
上級会員は無償でプレエコのアップグレードなんてJALにはないサービスなので、今までの待遇が良過ぎたんだとあきらめるしかないですね(涙)
「プレミアムエコノミーへのご変更」サービス終了
2019年9月30日搭乗分(日本時間)をもって、ANA「ダイヤモンドサービス」「プラチナサービス」メンバー、スーパーフライヤーズ会員に提供されていたチェックイン時に空席がある場合に無料でプレミアムエコノミーにアップグレードしてもらえるサービスは終了することになりました。
「Bid My Price」が開始されてから、いつかはこんな日が来るかも?と思っていましたが、JALのJGC会員にはないとってもお得なサービスだったので、終了してしまうのはとっても残念です。