ドブロブニクからお隣のボスニア・ヘルツェゴビナへ1Day Trip。
クロアチアとボスニア・ヘルツェゴビナはもともと一つの同じ国、ユーゴスラビアでした。
独立してからそれぞれの発展を遂げてきた二つの国。
似ているようで異なる国を、自分の目で確かめてきました。
ボスニア・ヘルツェゴビナ
東ヨーロッパのバルカン半島北西部に位置する共和制国家。首都はサラエボで、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とスルプスカ共和国のふたつの構成体からなる連邦国家でもある。
ほぼ三角形の国土を持ち、国境のうち北側と南西側2辺でクロアチア、東側1辺でセルビア、モンテネグロと接する。ユーゴスラビアからの独立時、独立の可否や国のあり方をめぐってボシュニャク人、クロアチア人、セルビア人がそれぞれ民族ごとに分かれてボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で戦ったWikipediaより
勉強不足なので詳しい歴史はよくわからないのですが、一つの国にたくさんの民族が一緒に暮らすのって難しいんですね。
世界の色んな所で、同じような理由で紛争が続いているのはとっても悲しいこと。
日本は島国だから、特にイメージがわきにくい気がします。
少しでもいいので訪れる国について勉強していくと、風景を見た時の感じ方が変わってくるのかもしれません。
今後の課題です。
ツアーの予約
ドブロブニク到着後、ネットで安いとのクチコミを見て目星をつけていた、ピレ門を出たところにあるバス停前のLAUS TRAVELへ。
(ピレ門を背にして、右側にあります。)
旧市街にもたくさんツアー会社があり、値段を確認すると直前割引の20%OFFで330クーナ(約6,000円)だったので、それより安ければ予約しようと決めて訪問。
ツアー内容は旧市街のツアー会社と同じ、料金は300クーナ(約5,400円)だったので、ボスニア・ヘルツェゴビナとモンテネグロのツアーを予約しました。
スケジュール:(下記時間は私たちが訪れた時のおおよその時間です)
7:30 ピレ門前に集合
10:30 クラヴィツァの滝観光
11:00 ポチテリ観光
12:30 モスタル観光
15:30 ドブロブニクへ向けて出発
18:00 ピレ門で解散
国境を超えるので、パスポート必須。忘れないように気を付けましょう。
私たちが参加したツアーはイギリス人老夫婦、インド人夫婦、我が家の3家族6人の小グループでした。
皆さんとっても時間に正確で、誰も集合時間に遅れることがなかったので、ツアーはスムーズに進みました。
今回ツアーで訪れる場所では自国の通貨マルカ、ユーロ、クロアチアクーナを使用することが出来ます。
1マルカ=0.5ユーロ=4クーナというように換算していました。
ツアーへ出発
一度クロアチアを出国してボスニア・ヘルツェゴビナへ入国。その後20分くらいで再びクロアチアへ入国。その後しばらく走ってから再度ボスニア・ヘルツェゴビナへ入国と、3回国境を越えましたが、パスポートのスタンプは1回分だけでした。
出入国の手続きはガイドさんがまとめてやってくれます。
3回目の国境でクロアチア側で出国手続き待ちをしているとき、隣のレーンを車がビューンと走り抜けて少し先にあるボスニア・ヘルツェゴビナの入国ゲートへ。
クロアチアの係員さんがものすごい勢いでその車のところへ走っていき、戻ってくるように促していました。
車に乗っていたのは若いカップル。どうやら出国と入国を同時に同じゲートで行えると勘違いして、空いている少し先のゲートへ行ってしまったようです。
ガイドさんによると、ゲートを無断で通過してしまった時の罰金は€5,000。かなりの高額です。
その後若いカップルがどうなったのかはわかりませんが、もし車で国境越えをする予定がある方は、十分に気を付けましょう。
同じツアーのインド人夫婦も、以前イギリス旅行中にレンタカーでロンドン市内を走行中、間違ってバスレーンを走行してしまったそう。直ぐに気付いて元のレーンに戻ったのですが、カメラにばっちり取られてしまったそう。
旅行中は何事もなかったのですが、帰国後半年くらいしてから罰金の請求が来たそうです。
罰金額は£100だったと言っていました。
時間がたってもきっちりと罰金を請求してくるってすごいですね。
クラヴィツァの滝
オフシーズン(確か11月~4月)は入場無料なのですが、5月からは6マルカ(約400円)必要です。
訪れたのは5月1日。惜しい!あと一日早ければ無料でした(涙)
駐車場から滝までは徒歩5分くらい。
緩やかな坂道を下っていくと…
森の中に滝が出現。
水量もあり綺麗でしたが、数日前にプリトヴィツェ湖群国立公園に行ったばかりなので、感動は薄かったかな?
カフェでビールを飲みながらマイナスイオンをチャージ。
夏にはたくさんの人が海水浴ならぬ湖水浴を楽しむそう。
日差しは強いけれど水はまだまだ冷たい5月、気の早い人達が数人、果敢にも水の中に…
さすがに寒かったのか、すぐに水から上がっていました(笑)
ポチテリ
16世紀~17世紀にかけてオスマン・トルコ帝国により建設されたポチテリは「トルコ人の村」と呼ばれているそうです。
紛争によって街は大規模に破壊されたそうですが、その景観の美しさから世界遺産の暫定リストに入っています。
山の上には城壁が残っています。上まで登ることが出来ますが、ここでの観光時間はわずか30分ほど。とうてい上まで登ることはできないと思い、街中をふらふら散歩して過ごしました。
モスタル
ツアーのメインはモスタル観光。
ネトレヴァ川とスタリ・モスト(石橋)を中心に広がる街。
15世紀~19世紀という長い間オスマントルコが支配していたモスタルは、ムスリム系の住民が多く、オリエンタルな雰囲気。
トルココーヒーや銅板細工の土産物が並び、今もオスマン朝の名残を見ることができます。
まずはランチ。スタリ・モストが見えるレストランのテラス席に陣取ります。
トルコ料理のケバブが由来の「チェヴァピ」とチキンサラダ。
「チェヴァピ」はバルカン半島全域で食べられている名物料理です。
羊のミンチ肉を棒状に形を整えてグリルした料理。スパイスが効いていて肉汁タップリで美しい。
一緒にサーブされるパンと野菜でサンドイッチのようにして食べるのが本場流だとか。
チキンサラダはこんがり焼いたチキンが大盛りでこれだけでお腹いっぱいになりました。
ボスニア・ヘルツェゴビナにはワイナリーもたくさんあります。道中でもワイナリーやブドウ畑を見かけました。
せっかくなので地元のワインを注文。
スタリ・モストをワイングラスに閉じ込めて独り占め。
モスクからの眺め
モスク(コスキ・メフメット・パシナ・ジャーミヤ)のミナレットからの眺めが絶景とのことで、登ってきました。
奥に見えるブルーの屋根がモスク、川の右側にあるのパラソルが並んでいるところがランチを食べたレストランです。
入場料はモスクのみとモスクとミナレットに分かれています。モスクのみはいくらだったか忘れてしまったのですが、モスクとミナレットで12マルカ(約800円)でした。
人一人通るのがやっとの狭いらせん階段を登っていくと…
モスタルの街を一望できる絶景が。
スタリ・モストとはスラヴ語で古い橋という意味。モスタルを象徴するこの橋は、16世紀にオスマン帝国の時代に建造され、街の象徴となっていましたが、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の1993年に破壊されてしまいました。
その後復興計画が持ち上がり、2004年に完成、2005年にボスニア・ヘルツェゴビナ初の世界遺産に登録されました。
平和の象徴ですね。
街はたくさんの観光客で溢れていましたが、モスクのミナレットには私たちのほかに3人しかいなかったので、のんびりと景色を楽しむことが出来ました。
小さくてわかりにくいですが、ちょうど橋の上からダイバーが飛び込んでいました。
遠くて迫力が伝わってこなかったのが残念。
小さなモスクの中では熱心な信者さんがお祈り中。
邪魔しないようにこっそり盗み撮りさせていただきました。
川沿いへ移動
川岸からスタリ・モストを鑑賞。
川面からの高さは24m、そこから飛び込むってとっても危険。川の水はとっても冷たいので、ダイバーの皆さんはきちんと訓練されているようです。
水着姿のダイバーがチップを集め、一定額(20ユーロだったかな?)集まると橋の上から川に飛び込みます。
でも実際に飛び込む人はウエットスーツを着用していました。安全第一ですね。
残念ながら、私たちが橋の下にいる間には飛び込みは行われませんでした。
橋の上は観光客で大渋滞。
石畳はツルツルしているので、気をつけて歩かないと滑ってしまいそう。
実際に足を滑らせて転んでいる人が数人いました。
石橋を入ったところに"DON'T FORGET '93"と書かれた石碑が置かれているとのことなので、注意深く探したのですが、見つけることはできませんでした。残念。
ミニ スタリ・モスト
スタリ・モストのミニチュア版、クリヴァ・チュプリヤ(曲がった橋)。
まずこの橋を造って橋の構造を確認してからスタリ・モストを造ったそうです。
この橋も内戦で大きなダメージを受け、その後の洪水で流されてしまったのですが、2002年に修復され、元の姿に復元されたようです。
ツアーの集合場所、モスタルで一番高い聖ペーター教会の近くにあった建物の壁には無数の銃痕が。
今は観光客が溢れるこんなに平和な街だけど、ここで本当に戦争があったという事実が重くのしかかっています。
二度と同じ過ちを犯さないようにしないといけませんね。
ドブロブニク新市街に架かる橋。
ツアーの帰りに休憩がてらフォトストップ。
ガイドさんが建設年月日を説明してくれたのに、忘れてしまった…
まとめ
今回は小人数のツアーだったので、プライベート気分でツアーに参加できてラッキーでした。
ツアーと言ってもガイドさんが一緒についてまわるわけではなく、集合時間を確認したら観光地では自分たちで好きなように動き回れます。
自由度の高いツアーなので、団体行動が苦手な我が家でもストレスフリーでした。
観光地については道中でガイドさんが説明してくれ、おすすめのレストランも教えてくれます。わからないことがあるときは、質問するととっても丁寧に答えてくれました。
今回のガイドさんはアタリでした。