更新日:2018-12-5
2018年12月よりJAL国際線特典航空券が生まれ変わります。
JAL特典航空券PLUSが導入されるとのアナウンスがありました。
これは改善なのか?それとも改悪?
実際に始まってみないと詳しいことは分かりませんが、現段階で分かっている情報を詳しく見ていきましょう。
JAL特典航空券PLUSとは?
JAL国際線特典航空券PLUS(以下、PLUS)とは、これまでのJAL国際線特典航空券ではキャンセル待ちになるような場合でも、追加のマイルをいただくことで、特典航空券としてご利用いただけるサービスです。
これまでのJAL国際線特典航空券の必要マイル数(以下、基本マイル数)は変更なく、基本マイル数でご予約いただけるケースに変わりはありません。なお、一部路線においてはこれまでより少ないマイル数を設定いたしますので、おトクにご利用いただけます。
PLUS導入に伴い、予約変更などのルールを一部変更いたします。
※予約を変更する場合は、ご手配済みの特典航空券を取り消し・払い戻し* のうえ、新たにご希望の旅程でご手配ください。
- *払戻手数料:3,100円(税込)
ファーストクラスについては今回導入されるシステムの対象外になるようです。
また、JAL国際線アップグレード特典、JMB提携航空会社特典航空券、ワンワールド特典航空券は、ルールの変更はありません。
これまでは特典航空券の座席枠が埋まってしまうとキャンセル待ちしか方法がありませんでしたが、今後は追加マイルを支払うことによって予約できるようになります。
今回のシステム導入による変更ポイントは次の3点。
- 特典航空券を利用するチャンスが広がる
- 旅のプランが立てやすくなる
- 今までよりも少ないマイル数で特典航空券が手配できる路線がある
キャンセル待ちは上級会員でも予約するのが難しかったけれど、今後は追加マイルを支払えば予約できる可能性が広がることになります。が、今までの倍以上のマイルを使って予約するのは得策なのか?
変更ポイントを詳しく見ていきましょう。
特典航空券を利用するチャンスが広がる
必要マイル数
今までなら予定座席数が埋まってしまうとキャンセル待ちしか方法がありませんでしたが、今後は追加マイルを支払うことによって座席を確保することが可能になります。
ただ、設定されているPLUS利用時のマイル数がとっても多いのが気になります。
例えばホノルルのエコノミークラス(片道)でPLUS利用時の最大マイル数は114,000マイル。対象外となっているファーストクラス利用に必要なマイル数が50,000マイルなので、ファーストクラスの倍以上のマイルが必要になります。
さすがにそこまで追加マイルを利用しなくてもいいように設定してくれるとは思うのですが、こればかりは実際に運用が始まってみないとわからないので少し心配ですね。
2018年12月5日追記
12月4日よりJAL特典航空券PLUSの運用が開始されました。
来年のGW、ヨーロッパ(フランクフルト)行の特典航空券空席を調べた結果は次の通り。
一番必要マイル数の多かった4月28日、東京出発で比較。いずれも片道に必要なマイル数。
基本必要マイル数 | 最大必要マイル数 | 必要マイル数 | |
エコノミー | 23,000 | 135,000 | 94,500 |
プレミアムエコノミー | 35,000 | 145,000 | 145,000 |
ビジネス | 55,000 | 379,000 | 325,000 |
いずれのクラスもほぼ最大必要マイル数の上限のマイルが必要という結果になりました。
いくら繁盛期とはいえ、必要マイル数が多すぎですよね。これじゃ、繁盛期にJALマイルでJALの特典航空券を予約するのは無理な気がします。
繁盛期でなければ基本必要マイル数で予約できる日もあるので、自由に休みが取れるのであれば問題ないですね。
また、年末年始はGWほど必要マイル数が高騰していません。やっぱりベストシーズンのGWやお盆休みなどが高騰するようです。
ちなみにシンガポールなど東南アジアであれば、今のところそんなにめちゃくちゃ必要マイル数が増えると言うことはないようです。
旅のプランを立てやすくなる
今までならキャンセル待ちしても特典航空券が取れるかどうかわからないので、往路は特典航空券に空きがあるのに復路はない!という場合、日程を変更したり予定を保留にしたりしなければいけなかったので、ホテルの予約や行先の検討など、旅のプランが立てられませんでした。
でも、追加マイルを支払うことによって直ぐに予約確定できるようになるので、予定が立てやすくなります。
会社への有給休暇申請などもスムーズに出来るので、安心して休暇を楽しめるようになります。
今までよりも少ないマイル数で特典航空券が手配できる路線がある
今まではエリアごとに必要マイル数が決まっていたので、同じ東南アジアであるシンガポールやホーチミンは必要マイル数が同じでした。
PLUS開始後は行先によって必要マイル数が変わってくるので、今までよりも少ないマイル数で特典航空券が手配できる路線が誕生しました。
これはとっても嬉しい改善ですね。
マイル数が変更になるのは次の路線。(片道のマイル数)
エコノミークラス
現行のマイル数 | PLUS導入後のマイル数 | |
台北 大阪(関西)便利用 | 10,000 | 7,500 |
台北 名古屋(中部)便利用 | 10,000 | 9,000 |
高雄 | 10,000 | 8,500 |
クアラルンプール | 17,500 | 14,500 |
ジャカルタ | 17,500 | 15,500 |
シンガポール | 17,500 | 12,000 |
ハノイ・ホーチミンシティ | 17,500 | 13,000 |
バンコク JL031/JL034便以外の東京(羽田・成田)便利用 | 17,500 | 13,500 |
バンコク 大阪(関西)、名古屋(中部)便利用 | 17,500 | 12,500 |
シドニー | 20,000 | 18,000 |
モスクワ | 20,000 | 17,500 |
パリ | 27,500 | 26,000 |
フランクフルト | 27,500 | 23,000 |
ヘルシンキ | 27,500 | 23,500 |
ロンドン JL042便利用 | 27,500 | 22,500 |
ロンドン JL042便以外利用 | 27,500 | 26,000 |
エコノミークラスの韓国、中国、マニラ、ハワイ、北米路線の必要マイル数は変更なし。
プレミアムエコノミー、ビジネスクラスにおいては全路線の必要マイル数に変更なし。
各路線の必要マイル数
アジアやヨーロッパへのマイル数が少なくなって利用しやすくなりました。特に人気のシンガポールで5,500マイル、フランクフルトで4,500マイルも少なくなったのはとっても大きい改善です。
また、関西から台北へのマイル減少も個人的には嬉しいです。
ANAの特典航空券に必要なマイル数はシンガポールやタイなどのアジア2で30,000〜38,000マイル(シーズン区分によって異なる)。JALはシーズン区分がないので、シンガポール行きの場合最大14,000マイルもお得になります。
この差はとっても大きいですね。
今までANAに比べると貯めにくいと言われていたJALマイルも、ポイントサイト『モッピー』の登場で貯めやすくなったので、ますます特典航空券へ交換しやすくなるのではないでしょうか?
JAL国際線特典航空券ルール変更
システム導入にともない、ルールが変更になります。
現在(2018年12月まで) | 新ルール(2018年12月以降) | |
旅行形態 | 片道・往復(日本発、海外発、海外発日本経由旅程*1)、 オープンジョー(行きの到着地と、帰りの出発地が異なる旅程) | 片道・往復*1(日本発、海外発)、 オープンジョー(行きの到着地と、帰りの出発地が異なる旅程) |
利用区間 | 往路・復路それぞれ 国際2区間、国内1区間まで | 往路・復路それぞれ 国際1区間、国内1区間まで |
利用クラス | 異なるクラスの組み合わせ可 | エコノミー・プレミアムエコノミー・ビジネスクラス: 異なるクラスとの組み合わせ可ファーストクラス:異なるクラスとの組み合わせ不可(ファーストクラスとの組み合わせのみ可) |
必要マイル | エリア・クラスごとに設定 | 路線・クラスごとに設定 エコノミー・プレミアムエコノミー・ビジネスクラスは、PLUSを導入 *2 |
キャンセル待ち | 可 | エコノミー・プレミアムエコノミー・ビジネスクラス:不可 ファーストクラス:可 |
予約変更 | 可 | 不可 *3 |
有効期限 | 旅行開始日から1年間(特典発行日から1年以内に旅行を開始することが必要) | 予約便に限り有効 |
*1海外発日本経由旅程は廃止いたします。
*2ファーストクラスは、PLUSの対象外です。
*3予約を変更する場合は、ご手配済みの特典航空券を取り消し・払い戻しのうえ、新たにご希望の旅程でご手配ください。特典航空券の払い戻し時は、3,100円(税込)*の払戻手数料を申し受けます。
*日本以外の地区は3,100円相当額
なお、現在は特典航空券手配後の同一区間の上位クラスへの変更は、払戻手数料をいただかずに手配を承っていますが、PLUS開始後は、払戻手数料を申し受けます。
個人的には、海外発日本経由の旅程が廃止になったこと、ファーストクラスとビジネスクラスの組み合わせができなくなったこと(ファーストクラス利用時は往路ともにファーストクラス利用)、予約変更ができなくなったことが改悪だと思います。
海外発日本経由の旅程が廃止
国内線特典航空券予約は搭乗日の2か月前の9:30から予約が開始になります。
でも、年末年始やGW、お盆休みなどの繁盛期はなかなか予約が取れません。
そこで活躍するのが海外発日本経由の旅程。
例えばソウル⇒東京⇒沖縄⇒東京⇒ソウルというふうに予約すれば、330日前から国内線を予約することが可能でした。
ソウル発の航空券なので一度ソウルに行く必要がありますが、JALは片道発券が可能なので、ソウルまでの特典航空券を片道発券すれば問題はありません。
この方法でらくらく繁盛期の国内線を予約することが出来ていたのに(もちろんすべての便に空席があるわけではありませんが)今後は利用できなくなります。
これはとっても痛手です。
海外発券を利用した旅程はとても便利です。
ファーストクラスとビジネスクラスの組み合わせ不可
ファーストクラスに乗ってみたいけど片道しか空席がない!という場合、今までならビジネスクラスやエコノミーと組み合わせることが出来ましたが、今後はファーストクラスはファーストクラスとしか組み合わせることが出来なくなります。
夢のファーストクラスがまた遠のいていった…とがっかりしましたが、よく考えてみたらJALは片道発券が可能なので往復ともに片道発券すれば何の問題もないことに気づきました。
改悪だと思っていたけれど、この変更は今までと大きな違いはないように思います。
予約変更不可
今回の変更点で一番改悪だと思うのは予約変更不可ではないでしょうか?
せっかく希望日に予約できたけれど、予定が変更になったので帰国日を一日ずらしたい場合、3,100円(税込)の払戻手数料を支払って予約を取り消し、新たに希望日で予約を取り直さなければなりません。
今のところルールがはっきりしていないので往復ともに予約をキャンセルしないといけないのか、復路または往路のみのキャンセルでいいのかわからないのではっきりとは言えませんが、もし往復ともにキャンセルしないといけないのであれば大改悪です。
せっかく基本マイルで予約できた往路または復路まで追加マイルを支払わなければならない、という状況に陥るかもしれません。
詳しいことは実際にPLUSが導入されないと分かりませんが、往路または復路のみの変更でも払い戻し手数料を支払わなければいけないことに変わりはありません。
今まで無料で何回でも変更出来ていた日程を変更しずらくなるのは改悪であることに間違いはありません。
これは本当にとっても残念です。
まとめ
アジアなどは基本マイルが少なくなってとっても改善。
加えて少しの追加マイルを払うことによって今まで取れなかった繁盛期もマイルで予約できるのであれば改善。
と思っていたのですが、海外発日本経由の旅程の廃止と予約変更不可はとっても改悪。
まだ大まかなルールしかわかっていないので、実際に制度が開始されないと詳しいことはわかりませんが、どれくらいの追加マイルが必要になるのかが大きなポイントではないでしょうか?
さすがに上限いっぱいの追加マイルを払うようなことはないと思いますが、こればっかりは実際に始まってみないと何とも言えないですね。
少ない追加マイルで特典航空券が取れるとこを期待しつつ、制度が始まるのを待ちたいと思います。